![](https://futtekonai.com/wp-content/uploads/2018/11/201811_profilesquare_small.jpg)
なぜそう思うのか?自分の本音を知るために、信頼するセラピストのあなざわゆきさんの「未妊セラピー」を受けた。
事前カウンセリングで、子どもを持つことへの不安について聞かれた際、私の口を衝いて出たのは女だらけの世界(ママの世界)への嫌悪感だった。
ネガティブな思いは、過去のどんな体験から湧き上がっているのか?セラピーを通じて見えてきたのは、高校時代の部活での人間関係のつまずきだった。
「共感や同調が時にネガティブな力として働く女の世界は、できれば避けたい」と思うようになる、一つのきっかけだったことがわかった。
▼前回までの記事を読む▼
妊活中なのに、子どもはそれほど…。原因は高校時代のトラウマだった(1)
妊活中なのに、子どもはそれほど…。原因は高校時代のトラウマだった(2)
妊活中なのに、子どもはそれほど…。原因は高校時代のトラウマだった(3)
トラウマのシーンの私を助ける
![トラウマ(イメージ画像)](https://futtekonai.com/wp-content/uploads/2018/01/giulia-bertelli-94235-1024x576.jpg)
トラウマ(イメージ画像)
あなざわさんに導かれて、高校時代のトラウマのシーンを、「31歳の私」という冷静な目線から振り返った。
今までこの事件について、あまり人に話したことはなかったと思う。
身勝手な行動をとった自分を、恥じる気持ちがあったからだ。
セラピーを通じて、恥じる気持ちよりもっと根深く刻まれていた、ネガティブな思い込みを解放できた。
- 今後も、自分が「これがいい!」「やりたい!」と思って振る舞うと、また知らないうちに下手こいて、嫌われるんじゃないか。
- 「共感」や「同調」が力になる女の世界は、できれば避けたい。
ネガティブな思い込みを解放したら、次のステップとして、それをポジティブなものに書き換えていく。
トラウマのシーンにいる高校生の私を、31歳の私が助けてあげるのだ。
![セッション(イメージ画像)](https://futtekonai.com/wp-content/uploads/2018/01/rawpixel-com-395551-1024x909.jpg)
セッション(イメージ画像)
あなざわさんは、こんな言葉で導いた。
「高校生の自分に、どんなことをしてあげたいですか?
どんな言葉をかけてあげたいですか?」
トラウマのシーンの辛そうな私を、安心させてあげるには、何をしてあげればいいのか…。
うーん…と考えた結果、
高校時代の音楽室がどれだけ小さな世界かを、教えてあげようと思った。
音楽室を離れた後の人生に、遠慮なく私でいられる世界がちゃんとあることを、伝えたかった。
そうだ。
その世界を象徴する、「あの人」の写真を渡してあげよう。
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クセがすごい、俺様カメラマン
「あの人」とは、前職の地方民放テレビ局時代にとてもお世話になった、ベテランカメラマンだ。
一言では言い表せない、まさに「クセがすごい」人だった。
![クセがすごい(イメージ画像)](https://futtekonai.com/wp-content/uploads/2018/01/mariya-georgieva-42318-1024x576.jpg)
クセがすごい(イメージ画像)
まず、ファッションセンスが独特だった。
堅気の他人の人間には見えない…というと言い過ぎかもしれないが、
とりあえず会社員には見えなかった。
ある日、「おはよう」と声をかけられて、振り返ると、「I LOVE 洗車」と書かれたキャップを被っていた。
(出勤中にガソリンスタンドの人が被っているのを見て、気に入って、どうにか譲ってもらったらしい。
そんなのアリなのか…と驚いた)
ジャケットのボタンを、かわいいキリン柄のくるみボタンに変えるような、おちゃめな一面もあった。
長身で細身で、何を着ても自分のものにしていて、おしゃれだった。
![オンリーワン(イメージ画像)](https://futtekonai.com/wp-content/uploads/2018/01/will-van-wingerden-87463-1024x683.jpg)
オンリーワン(イメージ画像)
そして何より、他の追随を許さない、オンリーワンのカメラマンだった。
彼の撮影・編集の腕は、他のカメラマンやディレクターとは次元が違っていた。
彼が関わったニュース、特集、番組には、
「よくわかる」とか「上手い」とか「きれい」の先の、圧倒的な「俺」の世界があった。
多彩な取材経験、豊富な読書量、人情、哲学、美的センス…。
これらを総動員して、取材対象や社会を自分なりに捉え直して、表現していると感じた。
「俺俺しているのは、ニュースとしてどうなのか…?」という見方もあるけれど、
なるべく正しいお作法に則ったニュースは、NHKがやってくれるのだから、
地元発祥のローカル局には、それくらい個性爆発の作り手がいたほうが面白い。
「派閥」というわけではなかったけれど、彼を中心とする一派に、私は入社当時からずっとかわいがってもらった。
取材や撮影・編集のことなど、いろんなことを学ばせてもらったし、
よく飲みに連れて行ってもらった。
とても面倒見が良い人で、カメラマンとしても、人としても、大好きだ。
私が会社を辞めた今も交流が続いている。
やりたいことを遠慮なくぶつけ合えた
このベテランカメラマンとは、お互いやりたいことを遠慮なくぶつけ合う関係を築けた。
こんなことがあった。
2011年、東日本大震災の発生から間もない頃のこと。
被災地から遠く離れた四国・徳島では、各地で有志が被災地支援活動に乗り出していた。
ベテランカメラマンとディレクターの私は、各種支援活動を紹介する特集を編集することになった。
活動の一つに、地元のバレエスタジオが公演で義援金を集めた、というものがあった。
震災直後で自粛ムードが漂う中、悩んだ末に公演決行と義援金募集を決断したそうだ。
日本全体が、「被災地のために何かしたい」と、もどかしさを抱えている時期だった。
公演を撮影してきたのは、当のベテランカメラマンだ。
指先、つま先まで美しい少女たちの踊りが映像に収められていた。
![満月(イメージ画像)](https://futtekonai.com/wp-content/uploads/2018/01/ganapathy-kumar-306285-1024x678.jpg)
満月(イメージ画像)
取材映像を見ていると、なぜか公演後の夜空を撮影したカットがあった。
公演日は、偶然にも満月だった。
(実は私も公演を見に行ったが、全然気づかなかった)
そして、彼は編集の手を止めて、私に言った。
「この映像に、こういう原稿を入れてくれ。
『少女たちの思いよ、電線に乗って、東北まで届け』って」
よく見ると、満月の映像には、電柱と電線も映っていた。
ただきれいなだけではなく、被災地とつながる、という意味が込められたカットだったのだ。
「被災地のために何かしたい」という人々の心情を代弁しているようにも見えた。
でも、私は首を縦に振らなかった。
「いいカットですけど、その原稿はだめです」
![編集作業(イメージ画像)](https://futtekonai.com/wp-content/uploads/2018/01/glenn-carstens-peters-203007-1024x681.jpg)
編集作業(イメージ画像)
非常に細かい指摘になるが、四国と東北の電線は「つながっていない」のだ。
西日本と東日本は電気の周波数が違うし、変換して送電することも難しい。
ちょうど、計画停電や電力融通のニュースでその話題が出ていた時期だった。
せっかく撮れた美しい映像を前にして、こんな指摘は
重箱の隅をつつくようでナンセンスだ、というのは重々承知だ。
しかし、その原稿でいけば、
「報道機関が事実誤認して原稿を書いている」と捉える視聴者がいるかもしれない。
私は、技巧を凝らした表現より、正確な表現を選ぶべきだと主張した。
これに対して、ベテランカメラマンの答えは「No」。
お互い一歩も引かず、こう着状態に陥った。
オンエアは当日だ。早く決めないと、間に合わない。
結局、上司に判断を仰いで決着をつけて、なんとか編集を再開した。
![あれから7年…(イメージ画像)](https://futtekonai.com/wp-content/uploads/2018/01/morgan-sessions-543-1024x683.jpg)
あれから7年…(イメージ画像)
あれから7年近く経つが、ベテランカメラマンとお酒を飲むと、
「まっちゃん.といえば…」と、このエピソードを語られる。ほぼ毎回だ。
「俺の言うこと、全然聞き入れてくれんで、まいったぞ!」と、嬉しそうに話してくれる。
私が全力で自分の主張をぶつけたことを、とても喜んで、思い出にしてくれているのだ。
私も、親子ほど年齢が離れている新人の言うことをねじ伏せずに、
対応に扱ってくれたことが、とても嬉しかった。
私にとって大切な人間関係は、こっちだ。
私は、女だらけの世界では、上手くやれないかもしれない。
でも、そんなことは私にとって大して重要なことではない。
女だらけの世界で上手くやることよりも、
自分のままで全力でぶつかれる人間関係にフォーカスしていればいいのだ。
そう考えれば、子どもを持つことへの不安がやわらぐ。
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「大切な人だけ見とけばいい」
トラウマのシーンにいる高校生の私を助けるために、
イメージの中で、ベテランカメラマンの写真を「お守り」として手渡した。
「将来、あなたの思うままに振る舞える人間関係が待ってるから、安心して。
あなたにとって大切な人だけを見とけばいいから」
こう伝えると、辛そうだった高校生の私は、
100%ではないにせよ、納得してくれたようだった。
落ち着いた表情に変わっていた。
(終わり)
![](https://futtekonai.com/wp-content/uploads/2018/11/201811_profilesquare_small.jpg)
最初は前編・後編のつもりだったのに、書いてみると全4回にもなって、けっこうハードでした…(笑)。
特に、第3回は激しく消耗しました。
それでも、セラピーでやったことを消化するために、アウトプットは非常に効果的だったし、
私のブログを読んだ人が、「私の場合はどうなんだろう…」と考えを巡らせてくれたことが
何より嬉しかったです。
セラピーでお世話になったあなざわゆきさんも、内容確認等でご協力いただき、ありがとうございました!
次回からは、ゆるい話題になります。引き続きお読みいただけると、励みになります。
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「未妊セラピー」体験記、いよいよ完結編です!
妊娠マインドをさまたげる原因のトラウマを、成仏(?)させていきますよ。